ゆきよちゃん|心の縄をほどく専門家からの手紙

ほどく、ゆるむ、自分に還る。 空海の智慧とともに綴る、あなたの心を自由にするメッセージ

#9 「不甲斐ない愛」を抱きしめて。制度の枠を飛び出した私が、ハローワークで見つけた光|空海の教えと共に

はじめに ―― 心は世界を映す鏡

人生で起こる出来事は、外側から突然降ってくるもののようでいて、
実はいつも、自分の「心」を静かに映し出しています。

同じ出来事でも、
心が固いときには「怖さ」として現れ、
ほどけているときには「光」として届く。

この記事は、「こうすれば正解」という答えではなく、
日々の中で胸の奥が小さく揺れた瞬間に、
そっと言葉を添えるために書いています。

もし今、あなたの中にも整理できない思いがあるなら、 無理に理解しようとせず、ただ一緒に感じてもらえたらうれしいです。

空海からのヒント ―― 風に遇ったとき、飛ぶ

膚寸(ふすん)南北に心無けれども、
風に遇(お)うときは則(すなわ)ち飛ぶ。
(『遍照発揮性霊集』)

紙切れほどの小さなものに、南も北もありません。

けれど風に出会ったとき、それは自然に飛ぶ。

そこに強い意志も、正しさの証明もありません。

ただ、風に遇ったから飛ぶ。

最近の私は、この言葉を「理解した」のではなく、
出来事として受け取った気がしています。

条件を手放した朝 ―― 職業訓練校の退校という選択

月曜日、ハローワークへ行く予定でした。
職業訓練校の退校について正式に相談するためです。

けれどその朝は、雪が残り、気温はマイナス4.5度。
道は凍り、すぐに動ける状況ではありませんでした。

月10万円の給付金。
それを受け取れる立場から、自分で降りるという決断。

「就職しないと認められない」
「役に立たないと価値がない」

そんな思い込みを、私はまだどこかで握っていました。

制度の奥にいた「人」―― ハローワークで見つけた光

けれど返ってきた言葉は、想像とは違うものでした。

それは制度の説明ではなく、
一人の人間として私の人生を尊重する言葉。

悩んで決断したことを受け止め、
背中を押してくれるまなざし。

そこには確かに、「制度」の奥にいる「人」がいました。

「不甲斐ない愛」と思っていたものの正体

職業訓練校もハローワークも、制度の中にあります。
ルールがあり、枠があります。

本当はもっと自由に応援したい。
けれど制度の中ではここまでしか言えない。

私はそれを以前、「条件付きの愛」だと思っていました。

でも違いました。

それは、とても人間らしく、
不器用で、やさしい愛でした。

それに気づいたとき、
世界は敵ではなく、味方に変わりました。

世界は押すものではなく、風に遇うもの

雪で動けなかった朝。
制度から一歩外へ出る決断。

それぞれは小さな出来事かもしれません。

けれど、条件に縛られた生き方を手放したとき、
不思議と物事は線でつながり始めました。

何かを奪ったわけでも、
誰かに勝ったわけでもない。

ただ、縛りを手放しただけ。

すると、空気が変わりました。
風が吹きました。

膚寸南北に心無けれども、風に遇うときは則ち飛ぶ。

私もきっと、そうだったのだと思います。

おわりに ―― 白いキャンバスの前で

今、私は制度の内でも外でもない場所で、
真っ白なキャンバスの前に立っています。

かつて「不甲斐ない」と思っていた愛は、
実は私を守り、送り出してくれていた愛でした。

それを抱きしめたとき、
少しだけ自由になれた気がします。

もしこの記事が、
あなたの中に吹く小さな風のきっかけになったなら。

また次の窓で、お会いできたらうれしいです。

note元記事はこちら

この記事は、noteに掲載している

「不甲斐ない愛」を抱きしめて。――制度の枠を飛び出す私が、ハローワークで見つけた光|空海の教えと共に #9

を、はてなブログ用に再構成したものです。

シリーズの流れの中で読みたい方は、
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